あのね

22 3月

その季節になるときまって聴きたくなる曲がある。

春先のあたたかな陽の光を見ると、必ず聴きたくなるのは「太田裕美」のアルバム、「Far East」。

初めて聴いたのは、京都の八幡氏男山のアパートにいた頃で、枚方駅前の蔦谷レコードからLPレコードをレンタルした。

アパートは樟葉の市街地を見下ろせる丘の上に建っていて、風呂場の窓からは、淀川の対岸を通り過ぎる東海道新幹線が見えた。

「Far East」の中の1曲で、「あのね」という曲が一番好きだ。

この曲を聴きながら、アパートの小さなベランダでよく日向ぼっこをした。

あれから6回引越しをして、24回目の春が訪れようとしている。

今、窓の外は良く晴れた東京の空と、NHK技研の建物。

僕は流れる雲を見つめてしばらく日向ぼっこを楽しむ。

「あのね」

作詞:庸 珍化
作曲:板倉 文
編曲:大村 雅朗
Dr:林 立夫
B:高水 健二
key:山田 英俊
EG:今 剛、松原 正樹
SynthProgram:松武 秀樹
Vocal:太田裕美

2006/3/22