つないで手

11 9月

台風9号が去ったあとの多摩川の堤防は、堤防内の川側で、水没のために、所々道路が、草木や泥の塊で通れなくなってしまっている。

それでも、よっこらしょと自転車を押して、盛り土を超えていく。

堤防のかなり高いところまで水が来ていたらしく、ペットボトルやらいろんな物が一列に堆積している。

久しぶりのくっきりした青空で気温も30度近くあると思うけれど、なんとなく夏の暑さが勢いを失いつつあるように感じる。

自転車を漕ぎながらイヤホンで聴いているFMラジオでは初めて聴く「一青窈 」さんの「つないで手」がオンエアされている。

丸子橋からガス橋までの堤防を走リながら、一青窈 さんの歌声を聴いて、ああ、秋なんだなと思った。

ちょっと切なく、そして優しく、想いは熱い、そんな情に訴える歌声。

堤防の道路ぞいにある「海まで9Km」の表示を過ぎて、掛川精螺の工場が見えてきたら、会社まではもうすぐ。

青空の多摩川沿いを走る、約1時間のサイクリングは、体と心のエクササイズにはいい事だと思う。

電車通勤では感じなかった季節の微妙な移り変わりを感じて、切ない恋心を歌う一青窈 さんの歌を聴きながら、ただひたすらベダルを漕いでいると、いつのまにか、優しい気持ちになれたりする。

2007/09/11