今だけの真実

17 6月

寄せては返す波のようなピアノのイントロ

そして、彼女の歌声が静かに重なり

映画のシーンにも似たありありとした情景を

音を探るように気持ちを込めて歌い続ける。

斉藤由貴さんの「今だけの真実」は、本当に好きなバラードの一曲。

ジャズやファンク、クロスオーバーフュージョンをやってた音楽仲間でも、斉藤由貴さんのファンって結構いた。

なんとなく、ほわほわして、癒されるというか、よく冗談で、宗教音楽って言ってたりもした。

1988年2月7日、日曜日。

昨晩は朝3時過ぎまで冷凍食品の工場でパッケージのバイトだったので、目が覚めたのは11時を過ぎてしまっていた。

今日は大阪映画祭の日で、守口市民会館で斉藤由貴の映画2本の上映と、監督である大森一樹と斉藤由貴のトークショーがある。

昨日、仕事に行くために愛車サバンナRX-7にガソリンを入れたので、手持ちの現金は小銭で300円くらい。

仕方なしに、駅前の質屋にYAMAHAのリズムマシンとグレコのレスポールモデルのギターを持っていって、15,000円になった。

大阪広しといえど、質屋でお金作って映画祭に来てる人はいないだろうと思いながら、入場整理券を貰って守口市民会館の前で並んでいると、大阪ではめったに降らない雪が降ってきた。

どうりで寒いはずだ。

「恋する女たち」は、設定が高校生なんだけど、出演している斉藤由貴はじめ、相楽ハル子、小林聡美なんかが、ビールやワインやウイスキーを飲んでばかりいる映画だなって思った。

映画の合い間のトークショーで、斉藤由貴さんは黒いドレス姿で、少し緊張気味に受け答えしていた。

そして、終了後、あったかい気持ちになって帰途についたことを憶えている。

すべてノンフィクションです。

久しぶりに曲を聴いているうちに思い出した正しく淋しいフリーター時代の昔話です。

そういえば、レコードのラインナップを読んでみると斉藤由貴さんの言葉で、この曲のピアノを弾いているのは、一発OKの谷山浩子さんって書いてある。

谷山浩子さんについてはまたあらためて今度。

2006/6/17