寄せては返す波のようなピアノのイントロ
そして、彼女の歌声が静かに重なり
映画のシーンにも似たありありとした情景を
音を探るように気持ちを込めて歌い続ける。
斉藤由貴さんの「今だけの真実」は、本当に好きなバラードの一曲。
ジャズやファンク、クロスオーバーフュージョンをやってた音楽仲間でも、斉藤由貴さんのファンって結構いた。
なんとなく、ほわほわして、癒されるというか、よく冗談で、宗教音楽って言ってたりもした。
1988年2月7日、日曜日。
昨晩は朝3時過ぎまで冷凍食品の工場でパッケージのバイトだったので、目が覚めたのは11時を過ぎてしまっていた。
今日は大阪映画祭の日で、守口市民会館で斉藤由貴の映画2本の上映と、監督である大森一樹と斉藤由貴のトークショーがある。
昨日、仕事に行くために愛車サバンナRX-7にガソリンを入れたので、手持ちの現金は小銭で300円くらい。
仕方なしに、駅前の質屋にYAMAHAのリズムマシンとグレコのレスポールモデルのギターを持っていって、15,000円になった。
大阪広しといえど、質屋でお金作って映画祭に来てる人はいないだろうと思いながら、入場整理券を貰って守口市民会館の前で並んでいると、大阪ではめったに降らない雪が降ってきた。
どうりで寒いはずだ。
「恋する女たち」は、設定が高校生なんだけど、出演している斉藤由貴はじめ、相楽ハル子、小林聡美なんかが、ビールやワインやウイスキーを飲んでばかりいる映画だなって思った。
映画の合い間のトークショーで、斉藤由貴さんは黒いドレス姿で、少し緊張気味に受け答えしていた。
そして、終了後、あったかい気持ちになって帰途についたことを憶えている。
すべてノンフィクションです。
久しぶりに曲を聴いているうちに思い出した正しく淋しいフリーター時代の昔話です。
そういえば、レコードのラインナップを読んでみると斉藤由貴さんの言葉で、この曲のピアノを弾いているのは、一発OKの谷山浩子さんって書いてある。
谷山浩子さんについてはまたあらためて今度。
2006/6/17
今だけの真実
17
6月