冬の匂いが消える頃

25 2月

雪の降る前の日は、
ちょっぴり甘い匂いの北風が吹く

寒い朝、登校時間ぎりぎりまでしがみついていた
石油ストーブの匂い

冬の終り、解け始めた雪道を長靴でじゃぶじゃぶ歩いた
あの商店街の、交差点にあったカフェから漂うココアの匂い

あの冬の終わりに街を出て、故郷は記憶になり、

雪の降らない街で暮らすようになり

いつのまにか冬の匂いを忘れてしまった

様々な事情でちょうど仕事を辞めて自宅で就職浪人をしていた頃(くわしくは「Stars」を参照下さい)眠れない深夜4時頃に、何の気なしにつけたTV。

画面は南の島の海岸風景だったけれど、流れていた歌が印象的だった。

石原千宝美の「冬の匂いが消える頃」。

ネットで検索すると、もうすぐシングルCDの発売日だったので、発売日に蔦谷の馬事公苑店でCDを買った。

この歌を聴くたびにあの街に忘れてきた色々なものを思い出すような気がする。

この季節になると毎年この歌を聴きたくなってしまう

そんな歌である。

2006/02/25