四月も終わりに近づきすっかり暖かな日が続いている。
いろいろな出会いや別れがあったであろう新学期のシーズンも過ぎて、一段落といった時期かもしれない。
周囲が鮮やかな色を増していっているのに反して自分自身の中で不完全な部分が無言で自分を責める。
夢を見て、その夢に届かない現実に、まるで片想いのような切なさを感じる。
SAKURAの「君のために」を聴いていたら、そんな事を考えてしまった。
まだ大阪で働いていた頃、いつだったか、大勢で飲み会をした。
夜も更けて、なんとなく皆で一番辛いことは何だろうといった話になった。
僕はその当時、たぶんその頃つきあっていた彼女と別れるかして、毎日が淋しいと感じていて、何を間違ったか、それは自分だけに起こる状態のように思い込んでいた。
その話をすると、仲間の中で一番のお調子者として陽気にふるまっていたFが、「みんな淋しいの!」と言った。
僕は自分しか見えてなかったんだ。恥ずかしい。
そして普段は道化者に見えたFが、どうして優秀な営業成績を上げることができるかが判った気がした。
やがて朝が来て、あやふやなものは現実がのみこんでしまう。
それでも、やっぱり、日常というステップを踏み続けなくちゃ。
休んだら、淋しさに気づいてしまう。
君のために
24
4月