11月も半ばを過ぎて、やっと冬らしく寒い朝に、その透き通った風が、街を凍えさせ始めた今日この頃。
街にはクリスマスソングや、バラード曲が溢れ始めて、この季節がいちばん好きだなあ。
そしてこの季節になると必ず聴こえてくる歌声の一人が、山下達郎さん。
曲はもちろん「クリスマス・イブ」。
でも今日は、ちょっとクリスマスにも早いし、アルバム「ソノリテ」から「Forever Mine」を聴こう。
ゆっくりとしたコード弾きのピアノのイントロ。
そして何と自信ありげに愛の気持ちをうたった歌詞!
これぞ山下達郎さんの直球勝負、文句なし100%、培ってきたものを全て惜しげもなく投入したバラードである。
その、堂々たる押しの強さに、恥ずかしくなってしまうほど、でも、恋する気持ちはこうなんだと、、、、、。
オジサン側から見た観点ではあるけど、やっぱ、オジサン(おやじ的年齢の人)は、これ位自信もって生きなきゃねって思わせる。
映画「東京タワー」の主題歌ということで、曲のほうは先に聴いてはいたけれど、ビデオを馬事公苑の蔦谷で借りた。
友人ののろけ話を聞かされている様な、、、。
黒木瞳さんはとっても綺麗で、岡田准一はカッコよすぎで、、、。
うーん。ちょっと観ていて恥ずかしくなってくるような、おじさんの観る映画じゃないなあ、、、って言うのが正直な感想。
やっとエンドタイトルまで観て山下達郎さんの「Forever Mine」のイントロで、ほっと救われた思いがした。
まあ、この映画は全ての人が見て共感する種類の映画じゃないだろうし、ちょっとねって言うおじさんがいてもしかたないよね。
インプリントじゃないけれど、この歌を最初にMP3プレーヤーで聴いたのは、渋谷行きの電車を待つ東横線の多摩川駅のホームでだった。
僕はただただ目頭が熱くなって、ああ、山下達郎さんの新曲だ、やっぱ、山下達郎さんだって、安心したような、感動したような、、。
この曲を聴くと、その時の夜のホームの風景がはっきり思い出される。
まるで生まれた瞬間に見た動くものを母親と思う鳥のように。
歌詞のなかに何度か「しじま」って言葉が出てくる。
そんな言葉を歌でうたうのはやっぱりおじさんなんだけれど、そこらへんに山下達郎さんのプライドを感じる。
「物音ひとつしない静かな様子」っていうのが国語辞典での意味だけど、およそ現代の都会にそんな状況があるのだろうか?
そう思ったときに、ひとつだけ思い当たる状況があることに気づいた。
恋に落ちた瞬間の、周りが何も見えないし聞こえなくなった、その人の状況。
2006/11/19
Forever Mine
19
11月