Forever Mine

19 11月

11月も半ばを過ぎて、やっと冬らしく寒い朝に、その透き通った風が、街を凍えさせ始めた今日この頃。

街にはクリスマスソングや、バラード曲が溢れ始めて、この季節がいちばん好きだなあ。

そしてこの季節になると必ず聴こえてくる歌声の一人が、山下達郎さん。

曲はもちろん「クリスマス・イブ」。

でも今日は、ちょっとクリスマスにも早いし、アルバム「ソノリテ」から「Forever Mine」を聴こう。

ゆっくりとしたコード弾きのピアノのイントロ。

そして何と自信ありげに愛の気持ちをうたった歌詞!

これぞ山下達郎さんの直球勝負、文句なし100%、培ってきたものを全て惜しげもなく投入したバラードである。

その、堂々たる押しの強さに、恥ずかしくなってしまうほど、でも、恋する気持ちはこうなんだと、、、、、。

オジサン側から見た観点ではあるけど、やっぱ、オジサン(おやじ的年齢の人)は、これ位自信もって生きなきゃねって思わせる。

映画「東京タワー」の主題歌ということで、曲のほうは先に聴いてはいたけれど、ビデオを馬事公苑の蔦谷で借りた。

友人ののろけ話を聞かされている様な、、、。

黒木瞳さんはとっても綺麗で、岡田准一はカッコよすぎで、、、。

うーん。ちょっと観ていて恥ずかしくなってくるような、おじさんの観る映画じゃないなあ、、、って言うのが正直な感想。

やっとエンドタイトルまで観て山下達郎さんの「Forever Mine」のイントロで、ほっと救われた思いがした。

まあ、この映画は全ての人が見て共感する種類の映画じゃないだろうし、ちょっとねって言うおじさんがいてもしかたないよね。

インプリントじゃないけれど、この歌を最初にMP3プレーヤーで聴いたのは、渋谷行きの電車を待つ東横線の多摩川駅のホームでだった。

僕はただただ目頭が熱くなって、ああ、山下達郎さんの新曲だ、やっぱ、山下達郎さんだって、安心したような、感動したような、、。

この曲を聴くと、その時の夜のホームの風景がはっきり思い出される。

まるで生まれた瞬間に見た動くものを母親と思う鳥のように。

歌詞のなかに何度か「しじま」って言葉が出てくる。

そんな言葉を歌でうたうのはやっぱりおじさんなんだけれど、そこらへんに山下達郎さんのプライドを感じる。

「物音ひとつしない静かな様子」っていうのが国語辞典での意味だけど、およそ現代の都会にそんな状況があるのだろうか?

そう思ったときに、ひとつだけ思い当たる状況があることに気づいた。

恋に落ちた瞬間の、周りが何も見えないし聞こえなくなった、その人の状況。

2006/11/19