春が来ると思い出す事。
人生で、ただ一度、ああ、季節は変わるんだと感じた瞬間。
あの時以来、何度も春は巡って来たけれど、緑の芽吹くシーンを、瑞々しいとは思うけど、目が開かれるようなインパクトを感じる事はもうない。
大学を卒業して、働き始めて何年かした頃、音楽系の会社だったので、やたら忙しく、給料は安かった。
たまの休みにはバンド仲間と練習だったりして、学生時代からつきあっていた彼女としだいに距離ができて、秋の訪れとともに、彼女とはわかれてしまった。
何だか寒い冬の心斎橋を黙々と練習スタジオに急ぐ日々だった。
あの頃は携帯電話なんてなく、夜になると下宿の入り口にある電話が鳴る音をずっと待ち続けていた気がする、、、。
そして、季節が巡り、春が来て、何も持ってない自分にも、春の暖かさはやってくると気づいた。
あたりまえなんだけど、本気で気づいた、なくす事の辛さと、普通である事の尊さみたいなものを、、、。
まあ、結局、そうやって人は大人になっていくってだけのことなんだけど、世間知らずでぼーっとしているような僕にとってはけっこうハードだった。
つらくてどうしようもない事はあるけれど、いつか、凪のような優しい瞬間は、きっと来る。
それを信じれない若さの中にいるとしても、いつかはそんな日々がくる事を信じて生きる事を選んでください。
そんなメッセージが、この歌から聴こえました。
「福井舞」さん「Promis You」
いよいよ4月。息子もいよいよ高校生。
2009/4/04
Promise You
4
4月