I Just Wanna Stop

17 3月

朝起きると、耳鳴りがする。

若い頃にとてもお馴染みの感覚。

そうだ、昨夜は週末休みの前だったので久々に練習スタジオをレンタルして、かねてからやろうと言っていた会社の有志でバンド演奏を楽しんだ。

とりあえず、初顔合わせということで、ジャコ・パストリアス版の「Chicken」に会わせてセッションしようという事になっていた。

おまけに僕を含めてキーボードプレーヤー4人とギター&ドラムスの6人の参加者。

なんか、再結成で来日した時のジノ・バネリみたいなメンバー構成。

おとといの晩、帰宅後に押入れの奥からショルダー・キーボードを引っ張り出し、曲に会わせてメロディ部分だけコピーして、時計を見たら午前3時に近かった。

夜8時前までに仕事を手早く切り上げて、蒲田駅前のGOURD ISLAND STUDIOヘ。

最初はギターのMくんとキーボード3人でセッティング。

キーボードの紅一点、Eさんはアレンジャ―&マルチプレーヤーで、なんと隠れフルート奏者だった。リターン・トゥー・フォーエバーみたい。

そして、アミューズメントでいつも助けてくれるMIDIのエキスパートKくんはベースパートを担当。

キーボードでジャコになったつもりでベース・フレーズを弾き続けてくれた。

ギターは最年少、20代前半なのにグレッチのセミアコがよく似合う、ロンドンっ子みたいな長身で耳ピアスのMくん。

最初はこの4人でプレイ開始。

Kくんがキーボードの内臓シーケンサーにリズムパターンをプログラムして、なんとなく30分くらいおさらい演奏。

ここで、キーボード奏者、M山くん登場。楽曲制作をしてくれている彼は現役プレーヤー。

某有名グループのサポート・キーボードとして活動している。

自前の豹柄のマスターキーボードをセッティング。

ご機嫌なオルガンサウンドが加わり、演奏がピリッと締まった。

メロディをユニゾンした後にソロを回す順番打ち合わせたりして、何となく形になってきた。時間は1時間経過。

最後にドラマーの、Tゴン太さん登場。慶応ボーイなのにヤマハ音楽院でドラムの先生したり、プロのドラマーとしてツアーに参加したりの本格派。今は会社のイケメン取締役。

登場していきなり20%くらい早いテンポでたたき始める。

負けじとみんなそれに会わせて演奏。すッげーフュージョン曲になっちゃった。

誰もが負けじと、思わずアンプのボリウムをぐいっと上げる瞬間。

ゴン太さんのドラムスのタイトなリズムとMくんの流れるようなオルガンプレイで、音が壁になってやって来る。

けっこうやるじゃん。

やっぱ、バンドはたのしいね。

さすがに生フルートは聞こえなくなったのでマイクを立てて、実際のミドルテンポに会わせてセッション再開。

僕は、プレイよりも、曲に会わせて踊っているほうが多いショルダーキーボードで、とりあえずブラス系の単音でメロディを弾いて踊った。

2時間のレンタル時間はあっという間に終わってしまった。

そして、耳の弱い僕は昔のように耳鳴り。それでも不快じゃない。

バンド曲をやるうえで、昔から教科書のように良く聴いていたアルバムに、ジノ・バネリの「Brother to Brother」がある。

昨夜の「Chiken」が入り口なら、そのずっと先くらいに位置する。

ライブで演奏したい大好きな曲が何曲も入っている。

その中でも、「I Just Wanna Stop」は、イントロを聴いただけで、様々な事を思い出させてくれるバラード。

1978年発売のこのアルバムは、全く色褪せていないどころか、自分の未熟さを教えてくれる。

練習やライブの次の日、朝起きると耳鳴りの音に包まれて起きる。

その音は、他の音が聞こえないという意味においては、まったく静寂と同じ。

こんどはジノ・バネリの曲でライブがやりたいな、、、、って、どんだけ練習しないといけないのやら、、、。

2007/03/17