Soaring

22 10月

先日まで「日テレ大時計」の仕事で神奈川県の北部にある工場に出向いていた。

やっと「ズームイン朝」の生中継公開で一段落した。

汐留の日テレタワーに移設が終わるまで、約一ヶ月はウエイティングの期間。

本当に沢山の人達が関わって制作が行なわれている。

そんな現場の仕事が一段落して、結構疲れてしまった。

なんかもっとクールに仕事がしたいなと思いつつ、いつもドロドロのヘトヘトになって現場を終える。

毎日毎日トラブルは降りかかり、納期は迫り、結局、スタッフ皆極限まで動きまわらなければ終わらない。

皆、仕事熱心でプロフェッショナルで、迅速に対応する。

そんな人達だけがこの仕事に残る事が出来る。

そんな現場で仕事が出来てる事を、有難く思う。

ヘルメットと安全帯をして地上10メートルのイントレに立ち、スピーカーを調整しつつ、なんのことはない、やっぱり、好きだからここにいるんだろうなって納得してしまう。

昨日、休日を久し振りに息子と一緒に過ごした。

息子が以前から買って欲しいと言っていた硬球の練習球を買いに御茶ノ水にあるMIZUNOまで出かけた。

中学一年生になる息子は学校の軟式野球ではなく、硬式野球のチームに入りたいという。

目下、ジャイロボールの投げ方を練習している。

運動音痴の僕には全く判らない世界だ。

そんな僕を息子は時として哀しそうな目で見るし、音楽にさして興味を示さない息子と会話の接点も無くなりつつある。

そんな息子とランチを食べに行った新宿の地下にあるジャズバー風のレストランで、ナイフとフォークを必死に使ってサーロインステーキを食べてる横顔を見ながら、「音たてずに食べろ」って注意したけれど、親バカだけど愛しいと思った。

さてSoaringである。

大阪は梅田にある阪急商店街奥のLPコーナーで1982年頃に買った、Bill Wolferのアルバム「Wolf」に収められている曲。

女性ボーカルに絡む、当時流行っていたローズピアノの改造ピックアップ風の
コリコリした音。

絶品は、スティービー・ワンダーによるハーモニカの間奏。

切なく、泣きたいくらいに素晴らしい。

出だしの部分を聴くと、しっとりとした雨の朝を連想してしまう。

そしてマイナーからメジャーに転調して漂うように流れていく曲調。

ふと、疲れた時に心を癒してくれる数少ない曲のひとつである。

2006/10/22