That’s the Way of the World

18 11月

時間の変化とともに、様々なものが移り変わっていく。

それでも変わらないものもある。

そんな1曲が、Earth Wind & Fire のこの曲、

「That’s The Way Of The World」

コード進行の瑞々しさは今でも全く色褪せていない。

この曲をもってしてバラードのひとつの形が決まったと言っても過言ではない正真正銘のマスターピースである。

この曲を始めて聴いたのは高校を卒業したすぐあとぐらいで、1970年代後半の、ニューミュージックという言葉がささやかれ始めた頃。

街ではVANのコートを着てマジソンスクエアガーデンと書かれたバックを持って歩くのが流行りだったころの昔の話。

その頃僕は同級生や周囲の音楽仲間でグループを組んで、ライブ・コンサートをやったりしていた。

メンバーの何人かは東京や大阪の学校に進学していたので、コンサートは決まって夏か春の長い休み中。

2週間ぐらい田んぼの真ん中にある公民館や倉庫をかりて、とにかく猛練習して、休みの最後にコンサートをやっていた。

練習場までの行き来の間、メンバー皆で車に乗りあって、東北の田園風景の中、Earth Wind & Fire やPat Metheney Group、吉田拓郎、NSP、等、色んな音楽を聴いたものだった。

そんな日々の中で、Earth Wind & Fire というグループは、ある意味遠い彼方の北極星みたいなものだった。

さすがにこの歳になって、レニー・メイスみたいなUSA生まれの友人が出来たり、ちょっとだけ日本を離れたりして判った事がある。

それはモーリス・ホワイトだってフィリップ・ベイリーだってやっぱり一人の人間で、決して何光年も離れた存在ではないってこと。

東北の田舎を出て、様々な場所で色んな形で音楽の仕事に携わり、天才的なミュージシャンと呼ばれる人を間近で見たり。

音楽の勉強とトレーニングもちょっぴりだがしてみたり、、、。

そんなこんなで、Earth Wind & Fire のエッセンスを心に取り込めた気もするし、身近に感じることも出来るようになった。

Earth Wind & Fire はその後、デビッド・フォスターとの出会いで、大好きな
「After The Love Is Gone」という珠玉の名曲をリリースする事になる。

また、僕の携帯電話の家族からの着信メロディにイントロを使っているモーリス・ホワイトのソロアルバムの「I Need You」も大好きな曲である。

昔大好きだったものにちょっとだけ近づけるということがオトナになる事なのかもしれない。

そして、決して縮まらない距離という事実に直面し、身の程を知るのも歳を取る事のひとつである。

そんな様々な想いを巡らせている僕に、ターンテープルからMP3プレーヤーに替わっても、Earth Wind & Fire の演奏はいつものごきげんな爽風を届けてくれる。

2006/11/18